第一章

絶望の淵で
見つけた光

「殺される!」
そう思った時、由美は今の生活に限界を感じたのでした。

私、森本由美(47歳)は、夫と13歳の子どもと3人で暮らす主婦で、私は日頃から夫から家庭内暴われていました。

夫は私が自分の思い通りにならないと、言葉の暴力を振るう人で、「こんなこともできないのか!」「俺の稼いだ金をこんなことに使いやがって!」「部屋が散らかってるじゃないか!お前は1日何をしていたんだ!」

こんな言葉は日常茶飯事。でもそれは家庭内では普通のことなのかな?妻としてある程度耐えないといけないんだと自分に言い聞かせ、夫からの言葉の暴力のことは誰にも言えず、ひたすら耐え続けてきました。

夫の威圧

日常的に浴びせられる言葉の暴力

召し使いのような扱いを受ける日々により、私の中の夫への愛情はもちろん冷め切っていて、でも子どもがいるので私が我慢しないといけない。

そう言い聞かせ、我慢の日々を送っていたのですが、ある日、夫が楽しみにしていた野球の試合の日に、私が友だちを家に招いてしまったことで、テレビでの試合観戦が楽しめなかったことに対して夫が発狂。

友だちが家を出た途端、夫は私に襲い掛かり、首を絞めてきました。日常的に言葉の暴力は受けてはいたものの、それが肉体的暴力に発展したことで、さすがの私もこう思ったのです。

暴力の連鎖

限界を超えた夫の態度

そしてその日以来、夫の暴力は言葉から肉体的なものへエスカレート。それまでは言葉だったものが、自分の思い通りにならないと、平手打ちや殴る形に変わっていきました。

こうなってくると、この状況は普通じゃない。誰かに相談しようと思った時、一番に思い浮かんだのは母で、母に夫からの暴力のことを相談すると、

「夫婦は家庭内ではいろいろあるもの。それでも子どものことを考えて、離婚で子どもを傷つけてはダメ。耐えなさい。」

母の拒絶

唯一の肉親からの拒絶、閉ざされた逃げ道

母は自分の幼少期に両親の離婚で傷ついた経験があり、それを私の子どもにはさせたくないという思いからそう言ったのでしょうが、母からそう言われると子どもが傷つく姿も想像したくない。
「自分が我慢するしかないんだ!」
そう言い聞かせ過ごす日々は耐え難く、そんな時、ペットショップで見つけたワンちゃんに一目惚れしました。

「この子なら、私の辛い日々を癒してくれるかもしれない。」

ワンちゃんとの出会い

暗闇の中に灯った、唯一の「癒し」という名の光

夫は犬を飼うことに反対していましたが、自分の癒しのためにそれを押し切り、その犬を飼うと、私が夫以外のものに関心を向けていることに対して許さないと言わんがばかりに暴力はエスカレート。

癒しを求めて飼ったはずの犬でしたが、結果的には夫の怒りを増長させてしまうことになりました。

この頃から私は、

「子どもの手が離れたら、いつかこんな家を出ていってやる!」

そう決意します。

でも、子どもが不登校だったこと、そしてもちろん金銭的なこともあり、

「今は私が家を出るわけにはいかない!」

と自分に言い聞かせますが、夫への憎しみは私の中で静かに増幅していきました。


そんな時、友人の智子が、私の首のあたりについた傷のようなものを発見して、こう言ってきました。

智子は夫に初めて首を絞められた時、夫の野球観戦を邪魔してしまった、あの友人です。

智子

智子

あれ、由美。その首の周りの赤い傷は何?

由美

由美

あ、これね……。

智子

智子

もしかして、旦那さんに暴力を振るわれてるんじゃないの?

由美

由美

ちょっとね。

智子

智子

それって家庭内暴力じゃないの!? 大丈夫なの? 誰かに相談した?

由美

由美

相談したところで子どもが傷つくことになるから、私が我慢するしかないのかなって。

智子

智子

我慢って、由美はそれで大丈夫なの? 役所にもそういう相談窓口はあるみたいだから、一度相談してみたら?

役所か……。そうか、そういうところに相談したら、少しは今が良くなるかもしれない。淡い期待を持って相談してみると、

役所の人「それは離婚しかないですね。離婚であれば窓口を案内しますし、母子家庭になるのであれば、そちらの窓口を案内しますが、どうされますか?」

役所の冷淡

役所仕事に絶望

あまりの役所対応に、

「やっぱり家庭の問題は、自分で解決するしかないんだ……。」

「親も役所も、結局は他人事なんだ……。」

「でも離婚か……、それも考えてみようかな……。」

と、離婚について息子に話してみると、息子は「離婚するならお父さんについていく」と言いました。この言葉はショックでした。でも息子は、多分それを言うことで離婚してほしくなかったんだなと今ではわかるのですが、当時の私には、この息子の言葉が自分の選択肢をなくすことになりました。


それからしばらく、私はソファーでぼーっと魂が抜けたように横になることが多くなり、ワンちゃんだけがぺろぺろと私を舐めて癒してくれる。そんな日々を過ごしていたある日、Facebookを見ていたらある広告が目に止まりました。
「これからは動画の時代!」
なぜそのキャッチコピーに興味を持ったかはわかりませんが、私はその広告で案内されていた動画編集講座に導かれるように申し込み、参加を決めました。
Facebook広告との出会い

これが希望かも?

多分、動画編集などのスキルを身につけたら経済的な自立につながって、今の生活から抜け出せるきっかけになるかもしれない、という気持ちもあったのだと思います。

普段なら広告から何かを申し込むことなんて絶対にしない私がとった、今思えば不思議な行動でした。

ーセミナー当日

その動画セミナーは大阪駅のセミナールームで行われました。私はそういうセミナーに参加するのは初めてだったので、緊張しながら会場に入りました。

セミナー会場の場違い感

セミナー会場

セミナーではまず各々の自己紹介から始まり、参加者の中の一人がこう話しました。

「初めまして。僕は妻と一緒にビジネスをしていて、妻をプロデュースする形で夫婦二人で仕事をしています。今日は動画を使って、妻をもっと売り出せるようにしたくて参加しました。よろしくお願いします。」

会場から拍手が上がります。

由美

由美

(夫婦で一緒に仕事をしてる? 私は旦那から逃れるためにここに来たようなものなのに、私って場違いなの!?)

次の人がまた自己紹介を始めました。

「私は潜在意識書き換えプロデューサーをしています。潜在意識を書き換えたら人生が好転することを動画で伝えていきたいと思ってセミナーに参加しました。今、人生がうまくいっていない人は潜在意識が汚れているんですね。そういう人を見ると、私はその人の潜在意識を書き換えたくなっちゃう。この会場でもそんな人がいたら私が協力しますので、言ってくださーい。」

どっと笑いが起きます。

由美

由美

(うわあ。なんか私の潜在意識が汚れているって言われる感じ! 私のような人を相手にする人が来るセミナーなんだ……。完全に場違いだったかな……。)

こうして自己紹介が続いていき、いよいよ最後の人になり、一人の女性が立ち上がりました。
あかり登場

運命を変える出会い:織田あかり

あかり

あかり

はじめまして。織田あかりと言います。私は家庭内で自立したい人、独立したい人を応援しています。

女性の中には、家庭内で金銭的なことだったり、子育てのことで自分を押し殺して我慢の日々を過ごしている方がいらっしゃいます。そういう方が『心理学的メソッド』を手に入れるだけで、家庭内で精神的に自立できることを伝えていて、そのことを今後、動画で発信していきたいと考えています。

「心理学的メソッド!? それを手に入れるだけで家庭内で自立?」

その時、司会者があかりさんに質問をしました。

「心理学的メソッドを手に入れるだけで、本当に女性が家庭内で精神的に自立できるんですか?」

あ、それ私が今、聞きたかったこと!?

あかり

あかり

はい。今、家庭内で我慢しながら絶望の淵にいる女性たちは、すでに健全な状態ではないんですね。そういう時に何を習っても、何に助けを求めても、その人に相応しい答えは見つからないんですね。

由美

由美

(えぇ? それまさに私やん!? それでそれで……)

あかり

あかり

だから私はまず、1ヶ月でその切迫した人の心を健全にして、その上で家庭内自立のために一番使える『男性性・女性性』に関する心理学的メソッドをお教えしてるんですね。それを手に入れると、女性たちは少なくとも、家庭内で精神的な自立を果たすことができ、解放されます。そんなことができることをもっと多くの人に伝えたくて、『これからは動画の時代!』という言葉に惹かれて今日来ました。

会場から一番大きな拍手が上がりました。
由美

由美

(あかりさんか! まさに今の私に必要な人だ!)

それまでずっと繰り返されてきた、まったく希望の見えない生活の中で、ようやく見つけた光のような感じがしたんですね。

「よし! 二次会であかりさんに絶対話しかけよう!」

そう決意した私は、二次会会場であかりさんを探します。

あかりさんは居酒屋の一番奥の席に座っていて、私は真っ先にあかりさんの横に座り、話しかけました。

興奮した私は、唐突すぎる質問をあかりさんにぶつけます。

由美

由美

あかりさん、初めまして! 由美と言います。本当に1ヶ月で家庭内自立できますか?

あかり

あかり

初めまして。由美さんですね。あかりです。あ、私の自己紹介を聞いてくださっていたんですね。

由美

由美

はい! あかりさんの自己紹介が気になって、セミナーどころじゃありませんでした。私の今は、あかりさんがおっしゃっていた女性たちそのものなんです。

あかり

あかり

そっか。じゃあ今は家庭内で我慢しながら生活してるってことだね?

由美

由美

そうです! 夫からの暴力もひどいし、子どもは不登校だし、離婚もできないし、親は我慢しろって言うし、役所は離婚の手続きを進めてくるし! もうどうしたらいいか!って思ってたんです。

あかり

あかり

でも今日、動画のセミナーを習いに来てるってことは、手に職をつけていつかは自立したいって考えてのことでしょ? すごいことだと思うけど。

由美

由美

もちろんそれもあるんですけど、今日このセミナーに参加した理由は自分でもよくわからないんです。あまりに絶望しすぎて、このセミナーに突破口があるんじゃないかと思って、自分でもよくわからずここに来たんです。そしたら、参加者さんたちがあまりに自分と違いすぎて、『私って場違いだなー』って思っていたら、最後にあかりさんが登場して、もう『これだ!』って思いました。

あかり

あかり

嬉しい。私はまさに由美さんのような方を応援してる立場だよ。1ヶ月で精神的に家庭内で自立できると言ったのは本当。実際、私のクライアントさんたちはそれを実現してるし、なんと言っても私自身が以前、そういう立場だったからね。多分、由美さんよりもひどい状況だったよ。

由美

由美

そ、そうなんですか。

あかり

あかり

由美さんは旦那さんから暴力を振るわれてるとおっしゃってたけど、どんな感じ?

由美

由美

肉体的暴力は首を絞められたのが一番大きいですけど、言葉の暴力がひどくて、日々、精神的に追い込まれている感じです。

あかり

あかり

それはひどいね。私も以前はそれが当たり前で、首絞めや平手打ちは序の口。ひどい時には公衆の面前で飛び蹴りされたなんてこともあったかな。

あ、今はないよ。今なんて夫は子犬みたい(笑)

由美

由美

子犬!? 暴力夫がそんなに変化するんですか??

あかり

あかり

するする。由美さん次第で人は変わるし、気持ちも生活も、そして雰囲気も変わるよ。

由美さんは昔の私とまったく一緒。多分、旦那さんから言葉や体の暴力を日常的に受けて、自尊心が傷ついてる。そんな時に誰かに相談しても、解決策を見つけようとしても、どうしても正しい手順を手に入れることができないんだよね。それは昔の私がそうで、私なんか家庭内自立を果たすまでに5年かかったからね(笑)

由美

由美

ご、5年は嫌ですね……。

あかり

あかり

嫌でしょ? 5年かかったのには理由があって、以前の私が今の由美さんのように、心に墨汁が入って真っ黒になってしまった状態でいろいろなことを模索していたから。心が墨汁で真っ黒になった状態では、解決策は見つからないし、ずーっと辛いし、もちろん家庭内自立は難しい。

でも、もし由美さんの心の墨汁を透明にできたら、解決策はすぐに見つかる。

心の墨汁

心に墨汁が入って真っ黒になった状態

由美

由美

心の墨汁??

あかり

あかり

多分、今の由美さんは『自分は何をやってもダメで、自信が持てず、自分を押し殺して我慢して生きなければいけないんだ』と思ってるでしょ?

由美

由美

はい。まさに。

あかり

あかり

でも、そんなわけないんだよね。もし由美さんの中からそういうネガティブな考えがなくなり、自分を押し殺して我慢して生きなければいけないという思い込みから、『自分の思った通りに生きられたらいいんだ』とシフトできたら、由美さんが抱える多くの問題は実はすぐに解決してしまう。

私は今の自分になるまでに5年かかったけれど、それは心の墨汁が取れない状態を長い間模索しなければいけなかったから。でも、由美さんがその墨汁を1ヶ月で取れるとしたら、私が無駄にしてきた5年は必要ない。

由美

由美

えぇ? 私の中の墨汁が1ヶ月で取れるんですか?

あかり

あかり

取れるよ。私が見つけてきたの。

由美

由美

それはなんですか!?

あかり

あかり

それは後から話すけど、その前に、由美さんは家庭内自立をしたいの? 私は基本的に、家庭内で自立したい人、独立したい人を応援してるんだよね。

由美

由美

家庭内で自立したいというよりも、むしろ家庭から出たい! 自立して飛び立ちたいんです!

あかり

あかり

そっか。由美さんはこれまでずっと我慢してきたんだね。

由美

由美

はい。ずーっと我慢してきました。

私は確かに夫から見れば歯がゆい存在かもしれない。夫に支配されていく中で、ずっと我慢してきたけれど、私の中では一方でどんどん育っていったというか、そんな気持ちがあるんです……。

あかり

あかり

なるほど。このままでは終わりたくないっていう気持ちかな?

由美

由美

そうです! そう! このままでは終わりたくない! 自分の好きなことをしたい! 自分の人生は自分で選びたい!

あかり

あかり

そっか。以前の私とまったく同じだね。抑圧されればされるほど、その中でどんどん育っていくもの、それは『自分を制御しているものから解放されたい』という気持ち。いつかそれが解放できるはずという希望。

でも、多くの人がその気持ちを我慢して、一生を過ごすこともできるし、そういう選択肢もあると思うけど。

由美

由美

そんなの絶対に嫌です! 私は自分の人生を解放したい! 今は無理でも、絶対に自分の人生を生きたい! もう抑圧されるだけの人生は嫌なんです!

あかり

あかり

そっか。そういう気持ちがあるんだったら、私は由美さんの助けになれるかな。だって、多くの人がどこかでそういう気持ちがあったとしても、その場をしのいで、楽になって、我慢して生きられるんだから。

由美

由美

できないです! じゃあ何をしたらいいかはわからないけど、私の気持ちだけは、そこだけは私が一番わかってる。もし自分に自立できる力があるなら、自分の人生を生きる方を選択したい!

あかり

あかり

その想いがあれば大丈夫。それなら協力できる。でも今の由美さんではちょっと難しい。それはさっきの話に戻るけど、心が墨汁で真っ黒になってるからね。それをまずは取らないと。未来書き換え自分年表でね。

由美

由美

未来書き換え?

あかり

あかり

そう。これがあると、由美さんをまずはフラットにできる。それができたら、あとは今、由美さんが話してくれた由美さんの中にある、内に秘めた情熱の力が動き出す。そしたら家庭内自立するための心理学的メソッドが役に立つ。これが私が由美さんのような人に、家庭内自立、家庭内独立を目指すために示しているロードマップだよ。

由美

由美

すごい! それだ! 私に必要なのは! もっと詳しく教えてもらえますか?

(つづく)
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